東埼玉新聞社
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2017.05.22(月)
小川利八草加市議~政務活動費を二重請求し詐取

 昨年に住所問題で議員資格を問われ知事の裁決で復職した小川利八草加市議(50)=無所属、5期=が、政務活動費を不正に申請し受け取っていたことが本紙の情報公開で得た収支報告書で明らかになった。同議員は本紙の取材には答えず、草加市議会に「勘違いにより重複の計上があった」と認め、5月16日、不正に受領した金額の返納を申し出た。
 小川議員が言う重複計上は、自分で誤りに気付いた訳ではなく、本紙の指摘と印刷会社からの苦情で慌てて動いたに過ぎない。情報公開で得た収支報告書を精査して指摘しなければ、小川議員は市民の税金を詐取して懐に入れたままだったことになる。不正を不正と認識できず、「勘違い」で済まし「返納すればOK」という感覚を市民は許すだろうか。本人の言い訳がどうあれ、結果は“悪意”をもってだまし取ったことに間違いない。公金の詐取・横領は、市民の信託を裏切る行為であり、市政をチェックし施策を提言することなどおこがましい限りで、議員辞職に相当する重大なことである。
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 小川議員の収支報告書によると、2013年2月議会を報告する広報紙1万部を制作・配布したが、その費用として18万9,000円(消費税込)を2013年度と2014年度にそれぞれ計上し受領した。報告書には印刷会社の領収書(それぞれ2013年3月10日、同年4月29日)が添付されている。同議員は詐取した2013年度分18万9,000円の返納を申し出た。
 本紙は収支報告書の中に2月議会の報告を2回発行したことに疑問を持ち、本当に2回発行したのか、発行したなら実物を見せて欲しい、と小川議員に質問書を届けた。同議員は本紙への回答をせずに返納を言い出した。
 一方、印刷会社によると、実際に制作したのは2013年4月で、料金は3月の一回だけ受け取った。これでは虚偽の報告で公金である政務活動費の不正受領に加担したことになるため、小川議員に「きちんと訂正してくれ」と申し入れた。領収書を2回出した点については、3月に前金で受け取り領収書を出し、4月分はちょうど消費税が8%になった時期で事務システムを更新した際に間違えて出してしまった、と説明している。両方の領収書が使われることは想像すら出来なかったとも話している。
 同市議会の政務活動費は、年度をまたいだ請求を認めている。2月議会の報告を4月に制作すれば次年度の請求になり、この年度の収支報告書はさらに翌年5月末に提出される。このためチェックが困難で、ここが付け目だったのか?
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 小川議員の政務活動費は2011年度~2015年度が年間60万円。収支報告書によれば、毎年度4回の定例議会報告の制作・配布に全額を費やしている。この広報紙は毎回1万部を作り配布代金も入っているが、「見たことがない」という住民が圧倒的に多い。同議員の議員資格問題で地元の青柳・柿木地区で数十人に会ったが、見たことのある住民は一人もいなかった。また、この地区の市議の多くも見たことがなく、支援者からポスティングされたものが届けられたこともないという。「本当に配布したのか」「実際は作っていないのでは」という疑問すら出ている。
 議員の広報紙は2014年度から収支報告書に添付することが義務付けられ、2013年度以前は議員個人が情報公開制に準じて5年間保管することになっていた。小川議員に2011~13年度の広報紙の閲覧を求めたが、これも回答がない。
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 小川議員の公金に対する認識及び対処のいい加減さは、本紙の「復職した小川市議の議員資質を問う」で指摘した市立青柳中学校CFC(旧PTA)の会計疑惑にも表れている。預金通帳を紛失した⇒現金がある⇒新通帳をつくるという流れは、団体会計を個人が流用・横領した疑いが消えない。他のいくつかの団体でも同様のことがあると言われている。
 今回の政務活動費の詐取は、明らかに犯罪である。市議会は毅然と対応すべきではないか。昨年の議員資格審査のきっかけとなった住民票の虚偽届を「軽い判断」と言い放ったことと同様に、今回は「勘違いで」不正を働いたことが発覚した。「返せばいい」と言う理屈は論外で、議員辞職勧告も生ぬるい。議員の矜持があれば“除名処分”しかないと思われる。