東埼玉新聞社
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  2015年6月17日(水)
獨協医大・越谷病院が新病棟建設へ
新病棟建設後の越谷病院(イメージ図)
白い建物の右が新病棟で、左側が既存の病棟。
郵政宿舎敷地の南側半分に建設される
地域医療を飛躍的に充実
県内2カ所目の総合周産期母子医療 24時間診療の子ども医療センター
高度専門医療体制も強化


 獨協医科大学越谷病院(林雅敏院長、723床、越谷市南越谷丁目)が新病棟建設の計画を進めている。埼玉県からベッド数200の増床許可を得たことを受け、県東部で初めてとなる総合周産期母子医療センター、24時間診療の子ども医療センターを新設する。
同時に、がん・脳卒中・急性心筋梗塞に対応する高度な専門医療体制を充実し救命救急医療を強化する。いずれも市民要望の高い分野であり、県東部地域の医療体制が飛躍的に充実する。

新病棟での診療開始は2018年の予定
 新病棟の開業は2018年を目指している。既存病棟の改修を併行して行い、923床のフル開業は21年を予定。同大は今春、看護専門学校を三郷市内に開校しており、地域医療体制を幅広く整備し地域に貢献する。

母子とも安心な出産、高齢出産や低体重児をケア
 総合周産期母子医療は、高度な専門医療を必要とする母体と胎児を対象にするもので県内では埼玉医科大学にしかない。同病院が2カ所目になる。近年増えている高齢出産のハイリスク分娩や低体重児のケアを行う。
 周産期母子医療でも西部地区(川越市)と県央地区(さいたま市、川口市)で複数の医療機関が行っているが、東部地区にはなかった。
 同病院に総合周産期母子医療センターが設置されると、安心して出産できる環境が整備される。

24時間無休の小児救急、重篤患者に対応
 現在の小児科と小児外科を連携した子ども医療センターとし、急性脳炎・脳症・髄膜炎・熱中症など生命に関わる疾患を幅広く診療する。
また、子ども専用の集中治療室(PICU)を新設し24時間365日体制で重篤な小児患者に対処する。溺水や交通事故など比較的死亡例の多いケースにも対応できるようになる。

救命救急・高度専門医療体制の充実
 獨協・越谷病院は救命救急センターを持つ県内7病院の一つ。江戸川沿いでは唯一の基幹病院の役割を担っている。多くの重篤患者が運び込まれ、十分な受け入れができない状況にあり、スタッフの増員と相当数のベッド増が求められていた。
 これまでに同病院は、がん・脳卒中・急性心筋梗塞などに対応する高度専門医療の整備・強化を進めてきた。がん治療では手術・放射線治療・化学療法を組み合わせた集学的治療を充実、さらに悪性腫瘍切除後の再建手術を担う形成外科も設置した。
 また「ハートセンター」や「呼吸器センター」など各診療科の枠組みを超え、これまで以上に質の高い医療を提供できる体制をとっている。

新病棟は7階建て
 敷地約7,850u、地上7階地下1階、延べ床面積23,550u。地下は駐車場で、既存病棟との連絡通路が地下と上空に設置される。新病棟には心臓血管外科、呼吸器外科、循環器内科、脳神経外科、形成外科など12科を配置、病床数は425床。

郵政宿舎敷地の半分に建設、越谷市の協力で取得
 新病棟の用地は、東隣にある郵政宿舎の南側半分。越谷市が敷地と建物の所有者である国家公務員共済組合連合会、日本郵便鰍ゥら買い取り、獨協医大に有償で譲渡する。補助金はなく、すべての費用を獨協医大が負担する。
 開院30年を過ぎた同病院は、施設の老朽化と狭隘化の解決を迫られていた。建物の高層化を検討したが叶わず、隣接する郵政宿舎の割譲に望みを託した。実現しなければ他所に土地を探し、全面移転の覚悟だったという。基幹病院の撤退は市民生活に直結する重大問題であるため越谷市が全面協力した。

浦和・美園に順天堂大学病院、近隣病院に不安感
 20年の開業を目指す順天堂大学病院が、越谷市と隣接するさいたま市の美園土地区画整理事業地内に進出することが決まった。埼玉県の公募によるもので、800床の大規模病院。大学院を併設する。
 県の条件は、医師養成の大学院設置、県内医療機関への医師派遣などで、建設費用については、三者で話し合うという。用地7.5haをさいたま市が無償貸与し、県も補助金を出す方向にあると言われている。県の「誘致病院」的な優遇措置が取られる模様だ。
 近隣の病院は、医師や看護師の引き抜きを心配している。とくに、同大と全面的に連携している越谷市立病院や医師の派遣を受けている病院の関係者は一様に不安を口にしている。
 ある病院役員は「5年ほどで開業するには大学内だけでスタッフを確保できない。あちこちから中堅の医師や看護師が多数引っ張られるはず」と指摘している。
 隣接地域の医療体制強化を歓迎しつつも、充実する前に地域医療が混乱する事態になりかねないことを本気で心配している。


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