東埼玉新聞社
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 2014年9月18日
読売支局長が草加市議会に“陳謝”〜記者の “盗録”
 読売新聞の記者が草加市議会の本会議場で許可なしに録音した問題で、読売新聞東京本社さいたま支局の吉原浩支局長が16日午前、同市議会を訪ね、新井貞夫議長、切敷光雄副議長に「記者が必要な手続きを取らず録音したことをお詫びする」と“陳謝”し、「記者本人に注意するとともに、全支局員に再発防止の徹底を図る」ことを説明した。新井議長は「開かれた議会ということでインターネット中継等をしている。傍聴は全国的に同じ取り扱いをしており議会ルールを遵守するよう」注意した。記者本人は同席しなかった。

草加市議会は“陳謝”を受け入れ
 草加市議会は翌17日の最終日、本会議前の議会運営委員会で、新井議長が前日に読売新聞さいたま支局長が詫びてきたことを報告した。同議会としては同社の“陳謝”を受け入れ、本人の謝罪はないものの、これ以上問題にしないことになった。
 ある議員は「言葉だけのお詫びで済まそうという魂胆が見え見えだが、落としどころとしては止むを得ない」と解説する。一方、当初から「市民ならともかく新聞記者が規則を破ったことは許せない」という意見もあったが、来月17日の市議選告示を控え、「新聞に何を書かれるかわからない」「嫌がらせされるのでは」といった恐れや不安があり収束への異論は出なかったという。

読売新聞では「規則を知らなかった」ことが軽微なミス?
 吉原支局長の「お詫びする」の言葉は、実を伴わないものだった。関係者によると、同支局長は、“盗録”した記者が「傍聴入り口などに掲載された(写真撮影や録音禁止の)注意事項を見落とした」「規則を知らなかった」といった趣旨のことを話し、「悪意がなかったことは理解して欲しい」などと述べたという。
 これは同社が“盗録”行為を記者個人の軽微な単純ミスとしか見ていないことを示している。新聞記者の信用を失墜させる取材への反省が全くなく、「お詫び」と言いながら「釈明」したに過ぎない。自社の記者を庇いたいのだろうが、報道携わる者の横柄さ・不遜さが伝わってくる。もっとも地方議会の取材ルールを知らないベテラン記者がいることを読売新聞は認めてしまった。
 13日に本紙が報道した後、読売新聞の対応は早かった。マイナーな本紙の記事をどのようにして把握したか不明だが、15日には休日にもかかわらず当該記者から新井議長に「さいたま支局長が明日にもお会いしたい」と電話があった。朝日新聞の慰安婦や吉田調書問題への遅い対応を批判しているため、「とりあえずお詫びを」と迅速に対応したのだろう。
 問題は記者の資質、社員教育という全社的なテーマ。ベテラン記者でも社内の担当経歴によって、地方自治体の取材は初めてということもある。従って、さいたま支局で処理する問題かは疑問だ。「全支局員に再発防止の徹底を図る」と言っても支局長の権限が及ぶのは埼玉県内で、県内の記者にしか伝わらない。


 2014年9月13日
読売記者が草加市議会の本会議を“盗録”

 草加市議会9月定例会第17日目の9月9日、読売新聞越谷通信部の山田道明記者が、本会議場で行われた市政に対する一般質問のやり取りを無許可で録音していたことが発覚、議会の散会後に職員らが録音を確認し消去させた。これまで市民による写真撮影の例はあるが、新聞記者の“盗録”は初めてという。同市議会は、最終日の17日に議会運営委員会で対応策を協議する。
同市議会は傍聴規則で本会議や委員会での録音・写真撮影を禁止し、本会議場の傍聴者入口には注意書きを掲出している。報道機関の写真撮影は事前に申請すればほとんどが許可される。
 山田記者は議長席の正面に当たる傍聴席最前席に座って取材していた。「カチッ」「カチッ」という音がたびたびするため、議場の議員らが見上げたところ、山田記者がメモを取りながら「集音マイクらしいもの」を発言者に向けていたという。「カチッ」という音は発言の有無に合わせてスイッチを押す音だったようだ。休憩時、議員が山田記者に「録音ダメなのよ」と話しかけると「持ち込みもダメなの」「(さっきまで)録音していた」と答え、録音機を議場外に運び出した。
 議事終了後、新井貞夫議長の指示で事務局職員が山田記者に録音機を出してもらい、議事のやり取りが録音されていることを確認、全部を消去させた。
 多くの議員は呆れ顔。「市民なら知らなかったで通るかもしれないが、ベテラン新聞記者でもルール守れないんだ」「正義や不正を許さないという新聞記者の倫理、どうなってんの?」「ミスを厳しく追及するくせに自分に甘いんだ」「読売本社や記者クラブに申し入れした方がいい」など日ごろの不満を織り交ぜたことを口にしていた。
 山田記者が“盗録”していたのは、吉沢哲夫議員の一般質問。同議員は80分の持ち時間で質問したが、終了10分ほど前に発覚した。70分ほど“盗録”したことになる。
吉沢議員は、田中和明市長が来月26日に実施される市長選に向け、7月初旬に市内の町会・自治会長を訪ねて推薦依頼したことが「公職選挙法の事前運動と疑われる恐れがある」と市選管から指摘され回収したことを取上げ、田中市長と秋元秀雄選管委員長を質した。主に秋元委員長に質問し、「事前運動、戸別訪問の違反」を選管に認めさせようとしたが、「選管は違反を判断する立場になく意見を述べるのみ」という答弁を通した。
 山田記者は7月以来、この「選挙違反問題」を熱心に取材していた。
草加市議会の本会議は、インターネットで中継されている。このため、パソコン等で音声を録音することができた。規則を破ってまで本会議場で“盗録”する必要性がどこにあったのか? 議会の取材で写真・録音に許可が必要なことは取材のイロハ。新聞記者の信用を失墜させる行為であり“記者失格”と言われても仕方がない。
取材時の録音機使用は常態化しているが、相手の了解を得るのが前提だ。


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